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ギリシャの闘い

2010. . 07
 パパンドレウは何とかドイツ、フランスをはじめEU各国の支援を引き出した。ユーロそのものの危機に対するそれは回答を迫るものであった。自らは当初反対していたIMFの介入もやむをえないものとして、こちらの支援も引き出した。前政権の尻拭いを、あるいはゴルドマン・サックスと前政権がタッグを組んで国家を相手にぼろ儲けをした、そのつけを廻されたのだ。
 だが、その支援の代償としての「緊縮案」はとてつもないものだ。年金の支払い年齢引き上げ、賃金のカットはもとより、付加価値税のアップ、つまりは実質可処分所得のダウンまで、もとより財政赤字に何の責任も無い国民に強いるものであった。議会にかけられた財政緊縮法案に「反対」してみせた前政権・現野党にはパパンドレウとしては怒りが収まらないであろう。
 そして、何より、前政権と「強欲」な一部投機筋にぼろ儲けされただけで、財政赤字に責任が無いのに、「負担」だけを押し付けられる国民の怒りはあまりにも当然である。
 
 日本のマスコミはどうも、やたらに「経済危機」とその連鎖に比重を置いて報道し、ストやデモに起ち上がった労働者を、債務を負った国の労働者の我儘であるかのように言ったり、酷いのになると公務員労働者のストライキを日本の「役人叩き」と同じように非難したりするが、とんでもない話である。確かに労働人口に占める公務員の割合は多いようだが、特権に胡坐をかいている「官僚」など一部に過ぎない。ギリシャ労働者の平均賃金は日本円にして20万に満たない。10万円に満たない「700ユーロ世代」と呼ばれる若者も、またそれにも届かない職の不安定な若者も数多い。特権的官僚やよく言われる脱税している高所得者などごくわずかである。今回の「負担」はすべての労働者に課せられる。不安定な低い収入に絶えている労働者や貧しい高齢者の年金をさらに減額され、増税までされようというのだ。また何度でも云うが前政権と投機筋のぼろ儲けによってもたらされたこの財政赤字なるものに彼らに何の責任も無い。
  

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 何回かこのブログで書いたが、ギリシャの労働者は抵抗のストライキとデモに打って出た。今回は特に激しい暴動を伴うものとなった。2年前、15歳の少年が警官に射殺され、怒りの輪が拡がって暴動になったが、今回は、デモ隊からの火炎瓶による銀行員3名の焼死という犠牲者を出してしまった。もちろん指導部は主体的に反省するべきであろう。今回のように部隊に紛れ込んで、同胞の静止を振り切って人の居る銀行に火炎瓶を投げ込んだような人間、ただ破壊活動に専念するような人々はこうした運動に必ず登場するものだ。ストやデモがその影響力を強固にするためには、このようなアナーキーなものたちをコントロールしなければいけない。反権力の闘いは、殺人という犯罪と治安の問題に矮小化されるべきではない。
 今回、銀行で働く労働者たちは、死者が出たのはこの混乱を招いた、つまり「緊縮財政」で負担を国民に強いる政府の責任であるとして、さらに24時間の独自のストライキを構えた。いかにこれらの抵抗が広く支持されているかよくわかる。
 また、「これは殺人である」として犯人の摘発を指示したパパンドレウも、「すべての国民は、デモをする権利、ストを打つ権利がある。」と明言している。日本のあるTVではこの政府を「弱い」と云い、「だから各国に連鎖して株安を招いている」と云っていた。何という低劣な論評だろう。パパンドレウは「弱い」のではない。逆である。前政権の責任であるのに、逃げずに、EU諸国と交渉し、支援を引き出し、同時に強いられた「条件」の中で、自分の支持基盤である労働者たちの抵抗にあいつつ、それもまた当然の闘いと認識し、まさに「板ばさみ」になりながら、凛々しく国家のリーダーとして彼もまた闘っているのだ。

 今回、続いているギリシャ労働者の闘いは、単なる「不満の爆発」などではない。強欲な投機筋に荒らされた「マネー資本主義」に対する「もう一つの世界」へ、「新しい社会」への展望を切り開く闘いである。彼らのある部分はパルテノン神殿を封鎖・占拠しアクロポリスの丘に横断幕を掲げた。「ヨーロッパの人々よ、起ち上がれ(RISE UP)」。 世界の働く階級の団結と闘いだけが、資本主義に変わる新しい未来を切り開く。
 こうしたことが単なる「きれいごと」でないことを、ギリシャの闘いは明らかにしている。ニヒリズムに陥ってはいけないのだ。 


  

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