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60年安保ブンド結成50周年記念集会

2008. . 22

 昨日の日曜日、「時代の転換のただ中で、"50年”を振り返る」ブント結成50周年記念集会に行ってきた。発表では140人参加とのことだった。皆さん歳をとっていたが(まあ人のことも言えない。)僕の隣にはうら若い女性が座ったものだ。演壇には共産主義者同盟の赤旗のうえに、島成郎氏、樺美智子さん、唐牛健太郎氏の遺影がかざられ、向かって左側にはなんと、11.27国会突入時に国会構内に掲げられた紫紺の全学連旗が飾られていた。僕はいまやもう若いときほど一次ブントに幻想を抱いてはいない。しかし、何度かこのブログに書いたように、60年代後半の新左翼運動が少数派の孤立した運動だったのに比して、安保闘争はなんと言っても今回の発言にもあったが、全国350万人をデモに動員した、多数の大規模な闘いであった。先頭に立って闘い、リーダーシップをとった当時のブント指導部はやはり尊敬に値すると思う。そんなわけで、生き残りの人達の話がききたくて出かけていった。

 

 蔵田計成氏の司会により、集会は黙祷で始まった。島さん、樺さんはじめブントの諸先輩はもちろん、1958年同時期の革共同創立メンバー7人のうち亡くなった6人、そして2007年7月現在の人数が報告されたそうだが多数の「内ゲバ」による死者たちに、捧げられたものだった。

 

 冒頭の基調発言は長崎浩。年とったなあという印象だったが、久しぶりの長崎節。ブントは結成されてすぐ安保闘争と遭遇する。これが幸も不幸もブントの運命を決めた。安保闘争は革命であった。何故なら、と長崎は5つの指標をあげた。①時の内閣を倒した。5.19以降、竹内好の「民主か独裁か」の言葉に象徴されるように、デモのスローガンまで「岸を倒せ」一色に変わった。そして、この大衆運動の力で実際に岸内閣を倒した。当時の政府側にもこれを「革命」と認識した人間もいたようだ。その後、「改憲」とか「再軍備」とか簡単に云えなくなってしまうのだ。②全国で350万人のデモ参加という未曾有の大衆的規模で闘われた闘争であった。(55年体制が真に確立した。)③権力を奪取した。国民、同伴知識人が主権を実感するところまできた。政治に発言し、内閣を倒せること。戦争の時代から成長の時代へ舵を切った。④日本の近代100年の歴史を終了させた。⑤第二革命ともいうべき60年代の全共闘運動に引き継がれていった。1968年革命を準備した。というわけである。ただし、当時も「ブントは安保闘争を革命と考えていなかった。」ブントはマルクス・レーニンの復古としての革命の理念をもっていた。原則論としての「革命か改良か」あるいは戦術論としての「過激か日和見か」という選択の中に引き裂かれていっただけであった。そして、ブントには「教師がいなかった」。55年あたりで知識人も底をついていたのだ。ブントとして大切に組織化してきた労働者部隊の批判、分解が始まるにいたって解体するしかなかったのが実態であった。長崎は、昨年文庫版で再版された倉橋由美子「聖少女」を引いた。「まったく安中派の連中ときたら、なにもかも、宇宙ロケットみたいに、空中に吹き飛ばしてしまって・・・。」         

 さて、結局ブントは、労働者階級が社民に取り込まれている中での、正統マルクス派の革命論をもって、つまり左翼反対派としての存在としてのみ意味を持ったということになる。そして、この左翼反対派としての党派性、(その中にだけ革命があるとする党派性)が、いわば解体した安保ブントの「積み残し」として60年代後半の新左翼諸党派に引き継がれることになる。未分化のまま安保ブントがもっていたこの党派性には3つの類型(①黒寛型②ルカーチ型、実践すればなんとかなる、③宇野派型)があると長崎はいうが、いずれにせよ、各派はこの党派性の強化の道をたどらざるを得なかった。これは「党の外は敵」という観念に向かってゆく。また、一次ブントが安保闘争に遭遇したように、これら新左翼諸党派は全共闘運動に遭遇する。ここで何がわかったのか。

 長崎ははっきり言う。「党に革命はない」のだ。安保闘争も、全共闘運動も、およそ大衆叛乱は「党から革命を解放した」のだ。まさに長崎節で締めくくった。日本に、共産党に対抗して形成された安保ブントがいずれにせよ日本の「過激派」の門を開けたのだ。

 

 続いて石井氏、これは僕には半分自慢話に聞こえた。11.27で内側から国会の門の閂を開けたのは我々だ、とか、全共闘運動のきっかけになるインターン闘争は、自分たちが、当時の医師会の武見の発言を捉えて組織化をスタートしたとか、事実かもしれないがそうでしたかとしかいえない。ただし、さすがに長い間ブントをやっていただけあって話は面白いし、なるほどと思えることは沢山あった。特に説得力があったのは、11.27以前に、東大医学部と教養学部(駒場)では、国会構内集会をはっきり方針として大衆的にオープンにして決議していた話だ。つまり他の部隊、オルグは国会前についてから突入をいわば「アジった」のに対して、東大の彼らの部隊は迷っていなかったわけだ。はじめから構内集会を大衆的に確認して来ていたのだ。ここが違う。これだから安保ブントの人たちにはかなわない。僕は昔先輩活動家から聞いた話を思い出した。「安保の時東大では」、と彼は言ったものだ。「クラスで全員国会デモに行くことは決まっていた。クラス討論では、国会突入すべきかどうかを討議したのだ」と。つまりまさしくそうだったわけだ。

 それからブントの機関誌を作っていた香村正雄氏の話、冷戦下の中国、モスクワ、プラハなどを学生新聞代表で廻った頃の話。これも面白かった。また、最後に、それこそ初期ブントの機関誌に載った綱領を上げて、「重要産業の国有化と労働者管理、金融の国有化と労働者管理、貿易の国有化と労働者管理・・・」こんなことを、本当にどうしていくつもりなのか、と改めて問いかけたのは素晴らしかった。新左翼に欠けている部分、ヴィジョンだからだ。(また、今となっては「国有化」などそもそも何の解決にもならないどころか官僚の「私物化」になってしまうことがはっきりしている。)

  ヘーゲル学者、加藤氏、マルクスはとにかくヘーゲル「自然哲学」の文章をやたらに使うが、ヘーゲルのほうはどうやらかなりいい加減だったようで、これも面白い話。早稲田ブントの宮脇氏、ほとんど東大出身者の発言の中、早稲田登場、安保ブントの4大闘争(11.27国会突入、1.16羽田、4,26チャペルセンター、6.15国会)のうち3つの闘争の被告になっているそうだから気合の入った活動家である。早稲田2文自治会から全学連中執にいたそうだが、彼からも当時らしいエピソードがl聞けた。何かの会議の後警官に追われて走って逃げていたところ、警官が怒鳴った。「捕まえろ!」で、途中でトラックの運転手らしきひとに捕まえられてしまった。だが、「僕、全学連です。」といったら、「それじゃ早く逃げろ」となったという。それほど支持されていたのだという話。また、関西の佐藤氏、京大に権力と共産党の監視が集中する中、同志社で比較的のびのびと第2次ブントまで継続的に活動できたことなど、謙虚に語られた。彼はまたブントが三分解し、その後再建されるとき、例の「つるや連合」当時であるが、つるやの会議の様子を山の上ホテルにいた島氏に報告し指示を仰いだ話など面白く話してくれた。また、最後に労働運動との連帯を強調して話を終えた。安保のときは三井三池の闘いがあったのだというわけだ。

 

 そして感動的だったのは、今なお闘っている三菱長船の西村氏と大阪中電の前田氏の話。とくに2人とも朝鮮戦争時、日共が武装闘争を進めたときに党員として活動し、その後離脱し、組織ぐるみでブントに移ってきた経験を持っているだけに、話に迫力と深みがあった。とにかくレッドパージ、占領軍、民同の敵対などの言葉がずっしりと入ってくる。力のある話であった。

 

 関西の新開氏がまとめて第一部が終わり、第2部は「運動の現在から」ということで現役で活動している人たちからの話があった。やはり関西1次ブントOBの柳田氏より、逮捕され無期懲役になっている赤軍の西川純氏への、また他の人々への支援の依頼につづき、今回結成されることになった新組織の挨拶に川音氏がたった。(この第2部の発言者の中で、僕がお互いに旧知の間柄なのは彼だけだ。高校生運動の仲間で仲が良かった。彼は僕より一年下で、教育大附高の活動家であった。)受け継ぐべき第一次ブントの思想として、彼はその世界性と広汎な共同闘争の理念をあげた。他の発言者もあったのだが昔と変わらぬアジにしか聞こえず、ちょっとがっかり。川音氏の発言だけが身びいきのようだが説得力があった。

 おなじみのインター斉唱で会を終えたが、僕のとなりの若い女性は肩に手をやったらびっくりしていたものだ。無理もない。インターの歌詞も知らなかったのだ。そんな人まで会に出かけて来てくれたことがうれしい。会場には知った顔、懐かしい顔が何人か。挨拶だけして2次会の誘いは断り、さっさと引き上げたが、楽しく有意義な休日だった。安保ブントの意義はやはり大きい。だが、発言者のひとりが言っていた。「革命いまだならず。」しかも世界は今、ますます困難な状況をむかえている。昔話に酔っている場合ではない。「革命」概念そのものが問い直さなければならないのはもちろんだが、しっかり現代世界の困難を見すえていこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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