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2015年の現実とは

2015. . 07
 2015年を迎えた。同世代の多くがそうであるように、老いた親族の面倒をみつつ、介護のさわり程度のことで、忙しい年末年始であった。もっと大変な思いをしている同世代が多いに違いない。

 さて、昨年末、読書家の世界、出版界で最大の話題は、ピケティ「21世紀の資本」の刊行だっただろう。みすず書房らしい素晴らしい装丁の大著である。6,000円近い重い本なのに、よく売れているらしく、12月8日に出版されるや、版を重ね、クリスマスのころには第5刷になっていた。
 僕も年末から読み始めた。平易な文章で読みやすいが、さすがに小説のようなわけにはいかず、ゆっくりゆっくり、少しずつ読んで行っている。いくつか解説本なども出ているが、読み方が偏るのがいやなので、直接しっかりと読むことにしている。経済学に明るい人は第1部を飛ばして「はじめに」と2部から読めばいいと言われているが、僕が従来読んできた本と用語の使い方が若干違うようなので、とにかく、遅くてもいいからしっかり読もうと思う。ただ、はじめの部分で著者は全体の概略と主張を述べているので、確かに飛ばし読みも可能だろう。だが、せっかく200年の長期にわたるデータを出して書かれているのだから結論や主張だけとりあげて読んだ気になるのももったいない。それに、当初、マルクスの「資本論」の知識がバックグラウンドとして必要と思っていたが、むしろ、ジェーン・オースティンやバルザック、あるいはゾラなどを読んでいて、19世紀の英国、フランスの「風景」が、さらにその「格差」社会がみえていることのほうが、読書の前提として重要なようだ。なかなか痛快な読書でもある。
 

 20世紀はじめ、2度の世界大戦によって資本ストックが破壊され、その後、回復し経済成長がおこる。それが、それだけが、例外として、基本的に、資本蓄積は常に経済成長を上回っている。富は富豪、大企業に集中し、格差は拡大する。
 長く、大きなスパンで描かれたこのような著作を読んでいると、確かに、現在の政策担当者が、与野党を問わず、ことごとくこの「格差拡大」を助長する政策を推進しているのがよくわかる。株価のつり上げ、派遣労働の規制緩和などはその最たるものである。普通の国民はもちろん株など持っていないし、大企業の正社員に「賃上げ」を迫っても、派遣の入れ替えを促進すれば、儲かるのは竹中のような派遣会社のトップだけである。(政府はさらに巨額の助成金までプレゼントしている。) 野党は野党で、民主党は、ピケティが(公的債務について) 「最悪の解決策」と言った緊縮財政を打ち出し続け、与党時代、その親玉・与謝野を入閣させ、(「消費税に逆進性があるというのは迷信だ」と彼は言った。) 自・公と結託して消費税増税を決行した。今、円安に追い打ちをかけられ、国民の生活は本当に危機的である。さらに、この春、決算を終えた中小企業が、「上がった」消費税の納税時期になってどんどん倒産していく情景が目に浮かぶ。その程度の想像力もなく、民主党なる政党は、完全に財務省、財界の側についたのだ。
 年末の選挙で、安倍はさらなる増税を「先送り」し、財務省をはじめとする増税、緊縮財政論者にチャレンジし、解散に打って出た。これは直前のブログに書いたが、増税を先送りした安倍 対 増税し、さらに増税しようとする民主党 という構図を作られたのだ。勝負ははじめからついていたと言っていい。正月の討論番組で、竹中から「民主党はどうして(安倍に対して)増税しろと言わなかったんですか?そうすればちゃんと対立軸が出来たのに。」と挑発され、辻元などぐうの音も出なかった。
 また、その民主党が「共闘」しようとしている「維新」では、かつて橋下がなんと「フラットタックス」を主張した。これもピケティをひくまでもなく格差拡大助長が当然と言わんばかりの税制提案である。
 結局、日本の場合、政治家たちが、与野党を問わず、大企業トップ、官僚、マスコミトップと並んで、同じ階層を形成し、資本蓄積を自分たちで山分けして、同じ利害のもとに行動しているわけだ。

 さて、これが、資本、金だけの問題であれば、(それでも生活と命のかかる大変な問題だが、) ここまでの話だ。 だが、現在、安倍政権は本格的に「改憲」を射程に入れ始めた。前に何度か書いたが、これは、国家の在り方そのものに関わる重大な問題だ。ここでも、民主党の大半は改憲派で自民党の補完勢力なのである。
 今回の選挙で救いだったのは、言うまでもなく、「オール沖縄」の辺野古移設反対の民意の勝利であった。それにつけても思い出されるのが、民主党政権の2010年である。時の首相・鳩山は沖縄を訪問し、怒号につつまれながらも、「現実的解決」として、辺野古移設の日米合意にサインすることを仲井真知事に告げ、公約の「県外移設」は、なんと「公約ではなかった」と言い切り、「抑止力維持の観点」を考えろと沖縄の人々を脅したのであった。そういえば、この件で、辺野古移設反対の社民党は連立を離脱し、権力に未練たっぷりだった辻元はその社民党を出て民主党に鞍替えしたのだった。今度の選挙結果をどう受け止め、沖縄の人々にどう説明するのだろう。
 

 およそ、「現実的に・・・」とか、「対案を・・・」とかいうのは、昔から改憲派の、乃至は権力側の決まり文句である。「憲法は理想にすぎない」とか、あるときは、自分勝手な経済政策を出してきて、反対すれば「対案を出せ」という。そんな言葉にだまされてはいけない。その「理想の」憲法のもとで70年、日本は戦争をせず、自衛隊はひとりの人間も殺したりしていない。それが「現実」である。また、例えば増税などしなくても、「彼ら」が奪って行ったカネを取り返せば財源はいくらでもある。「現実的」問題は税金をどこにかけるかだ。口先だけに終わった「事業仕分け」だって本気でやればまさに「現実的」効果はある。問題は政治を、誰の立場に立って行うかだ。1%の側か、99%の側か。民主党はかつて99%の側に立つと「嘘をつき」、政権を取るや1%の側にたつという人として許せないことをやった。2度と権力を与えてはいけない。
 
 
 

 敵は多く強く見え、味方は少なく弱く見える。だが、本当は逆である。我々は99%だ。「現実的である」こととは、現実を見据えることからしかはじまらない。このブログでしつこく言ってきた「働く階級の団結」は理想論ではない。
 ゆっくりピケティを読もう。
 

 この25日、ギリシャでは総選挙だ。「EU離脱」、デフォルト、云々と恫喝されるが、ツィプラスは「EU離脱」などと言っていない。もともと、要らない兵器や、過大なインフラを押し付けられ、債務を負わされ、「格付け会社」などという国際金融機関に金利を操作され、彼らに巨額の利益をもたらし、ギリシャ国民は犠牲だけ押し付けられたのだ。これ以上、ギリシャ国民は「緊縮財政」などに耐える必要などない。恫喝に屈せず、緊縮財政など吹き飛ばして、まさに「働く階級の団結」を願ってやまない。

















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