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理想を語れ、だが語るな

2012. . 20
   また出張に出かけていた。広島にいた。ちょうどその間に、野田が大飯原発再稼動を宣言した。「責任を持つ」って、どんな責任がとれるのだろう。「国民の生活を守る・・・」だって?カツマタ3兄弟(東電・丸紅・新日鉄)をはじめとした、電力会社と財界の利益を守るためではないか。首相官邸前には12,000人が抗議に集まったそうだが何故か報道されなかった。僕は広島にいたので、人々の生の声を聴いた。僕より10歳も、20歳も、30歳も、若い普通のOLたち、ノンポリ(死語か?)の女子たちが口々に政府を批判していた。「野田なんて人間じゃない!」という過激なのから、「東京の人たちは放射能は怖くないんでしょうか?」というやさしい子まで。彼女達はずっと原爆ドームを見て育ってきたのだ。小学生の時から、8ミリ、16ミリなどで、何度も原爆の被害を見聞きし、毎年夏には集会にも参加してきた、そんな人々なのである。まさに被爆国・日本国民としての自覚を持った人々だ。簡単に原発再稼動を語る政治家よ、広島市民の声を聴いてみるがいい。
 野田はすっかり「増税真理教」ともいうべきカルトにはまり、藤井など財務省OBと財務省官僚、財界にアジられて、ついに自党(民主党)内の反対を押し切って他党(自民党)と野合し、増税と社会保障制度改悪をやりぬいた。誰かが言っていたが、民主党は自民党に反対して政権公約(マニフェスト)を掲げ、政権を取ったのに、自民党とグルになってマニフェストを踏み潰して、自民党の言う通りにするというのだから、これは犯罪、詐欺ともいうべきだろう。ナチスのように、「約束はした、しかし約束を実行するとは言っていない」というわけか。
 
 さて、頭にきてついつい野田のことなど書いてしまったが、今回は前回に続けてヨーロッパのことを書きたかった。
 17日のギリシャ選挙では、残念なことにアレクシス・ツィプラスの急進左翼連合は僅差でND(新民主主義党)に負けた。NDは狡猾にギリシャ国民を脅した。言うまでもないが「EUに残るかどうか」と、「残りたかったら緊縮策を我慢してNDに投票しろ」と国民に迫ったのである。NDのTVコマーシャルを観る機会があったが、小学校で教師がEUについて教えていて、次々に加盟している国名を挙げていく、最後までギリシャが出てこない、子供たちが「ギリシャは?」と、「ギリシャはEUにいないの?」と泣きそうな顔で聴く、そのアップで終り、こうなりたくなかったらNDに! というものだった。日本も含めて評論家やマスコミはしたり顔で「ユーロ残留か離脱か」の選択の選挙だとはやしたてた。まあ、これは功を奏したというべきか、奏さなかったというべきか、僕にはわからない。NDとシリザ(急進左翼連合)はたったの3ポイント差だったのである。NDも僅差でも勝ったことによってボーナスの50議席を得、さらにPASOKと連立を組んでなんとか形を整えることしか出来ない。善戦したシリザは実は前回の選挙よりさらに10%支持を伸ばしている。つまり、「反緊縮」の力を無視することはもう出来ないのだ。
 選挙直前まで、ツィプラスはヨーロッパ各国を廻って政見を説明した。「財政緊縮策の見直しを要求する。がEUを離脱しない。」

 メルケル、オランドをはじめとするEU各国の首脳はもう一度EUの当初の理想に立ち返って考えて欲しい。東西ドイツを統一した時「貧しい東」をどう扱ったか。各国に経済格差があるのは前提だった。経済の論理だけで、いや、化け物のようになった金融機関の利益のために、あるいはその損失の穴埋めのためにではなく、政治の側がイニシアティヴをとってほしい。政治的理想を語り、語るだけでなく実現していって欲しい。EU統合はそうした理想への道であったはずである。


             スペイン座り込み6.12

 折りしも、やはりギリシャと同様の危機にあり、むしろずっと規模の大きいスペインで、政府は緊縮財政の名の下に、社会保障削減と鉱業部門への補助金カットを打ち出した。3億ユーロを3分の1にするという厳しいものである。それでなくても失業率24,3%のスペインにあって、これは鉱業部門でさらに大量の失職者を生み出すことになる。北部の炭鉱労働者は抗議の座り込み、ストライキ、道路封鎖の激しい闘いをはじめている。手製のロケット弾が飛んだことが報道された。
             パトカーを追撃する炭鉱労働者
             

 どの国だろうと、「緊縮財政」などによってはEUの危機は解決しない。それは矛盾を広げ、働く階級の犠牲によって金融機関の利益だけを救おうとするものだ。
 ギリシャのNDはそもそも以前何をやったのか。ゴルドマン・サックス、フィッチなどとグルになって国債を操作し、彼らに儲けさせ、自分達は汚職にまみれ、財政赤字をごまかし、なんと虚偽の数字をEUに提出し、今日に至る危機の淵源を作ったのではないか。政権交代したPASOK・パパンドレウにそれを暴かれたのがついこの間ではないか。
 今回、NDに入れたギリシャ国民はNDを支持したのではない。彼らのいわば脅迫によって、「EU離脱」の混乱、ドラクマ復活=超インフレを恐れ、いやいや投票したのだ。
 
 ギリシャでもスペインでも、そもそもEUのユーロの危機からの脱出の道は「緊縮財政」などにはない。本当の解決は、暴走する金融機関のほうを規制し、EUの理想に立ち返り、欧州の政治的統合、ひとつのヨーロッパを目指すことである。経済でなく政治を優先すること、経済の暴走を政治がコントロールすること。それは、「緊縮財政」によって政治が経済の奴隷になることではないのだ。EUの現在のリーダー達にそれが出来ないのなら、「緊縮財政」と闘うものから、新しいリーダーを生み出さなければならない。
 働く階級の団結、これはただの「語られる理想」ではなく、現実的に闘いとられるべき課題である。

 ヨーロッパのことを書いたが、冒頭、怒りをぶつけたように、もちろんこれは日本も同じだ。
 「反増税」という多くの国民の当然の動きを、マスコミも民主党執行部も「小沢グループ」などとわざと矮小化し、自民党・公明党との野合を正当化し、野田政権はさらに原発再稼動、TPPと、財務省、財界の意のままにまっしぐらに動いている。日本の「働く階級」も怒りを率直に示そう。



 

  (写真はロイター:座り込みに入るスペイン北部炭鉱労働者と、鎮圧に来たパトカーを逆に追撃する闘う労働者達)





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